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>内職商法の掟
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>求人広告攻略術
>>Side-3 |
内職商法のファーストコンタクトとして、今や主流となりつつある“求人広告”。
先にも書いたとおり、求人広告の場合、それを見た消費者側が「業者に電話する」か「資料請求する」という形でコンタクトが取られます。業者側は広告を載せるだけ。ある日突然勝手に電話してきて甘言をまくしたてる電話勧誘と違い、相手は「待ち」の戦法です。消費者側がアクションを起こさない限り、100%詐欺にあうことはありません。
じゃあ、もしも消費者が、大量の求人広告の中を見て「本当に作業者を募集してる広告」と「求人のフリをした内職商法の広告」を即見分けられるようになったとしたら・・・?
これは、実際ネットで見かけた求人広告を真似て作ったものです。
ところがこれ、見る人が見れば即「ははぁ、これは典型的な内職商法だな」とわかるほど、ベタベタな「内職商法の広告」なのです。
ポイントは5ヶ所。どれか1つでも当てはまれば、内職商法ほぼ確定です。
1 在宅を強調(類似例:自宅でお仕事、在宅でラクラク収入) |
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やたらと「在宅」「自宅」を強調しています。他と比べて目立つ字だったり目立たせるための背景がついていたりする場合が多いです。 |
2 月収や年収の表記 |
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普通の内職・在宅業務の求人は、ある決まった作業に対する作業者を募集するため、一般的には単価表記をします。また、作業量に波があるのが当然の業界なのに「月収」という大きな括りをしていること自体不自然です。 |
3 作業内容・募集要項が大雑把
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「データ入力」「宛名書き」「ホームページ作成」など職種のみの表記にとどまる場合が多く、WindowsなのかMacなのか、ソフトは何を使うのか、納期はどうなってるのか・・・広告からは全く読み取れません。
また、年齢が「20歳以上」、募集人数が不明など、募集要項が非常にアバウトかつ妙に広範囲です。 |
4 「合間」と「有効活用」(類似例:ご自分の都合に合わせて) |
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「合間」「有効活用」の2単語は典型的な内職商法の殺し文句です。肩肘張らず、今ぼーっとしてる時間・空いてる時間を使えば良い、という「お手軽感」を出すことで、特に仕事を探してるわけでもない人物をも取り込む作戦。 |
5 無料案内書(類似例:資料請求・無料パンフレット贈呈) |
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極めつけがこれ。資料・パンフレット・案内書等名目は様々ですが、とにかく「求人」のくせに「資料」が出てきたら間違いなく内職商法です。
何故なのかは、自分が就職活動をした時のことを考えれば判るはず。お客様のために資料は作成しても、人事のためにお金をかけて資料作成する会社などあるでしょうか? |
さて、今度のは、実際にネットで発見したものの一部分をそのまま頂戴したものです。
この広告、初級編をクリアした人にとっては「検討の余地すらない」と思います。在宅を強調してる、月収例を出している、募集内容がアバウト、“自由な時間”が入ってる、資料請求がある・・・全部ひっかかってます。
でもこれ、実は内職商法の広告ではありません。では一体、何の広告なのでしょう?
この広告の特徴は、「副業」・「独立」というキーワードと、右下に書いてある「会社説明会及び面接あり」の2点です。内職商法の広告の場合、この2点はあまり登場しません。
結論から言いますと、この広告はマルチ商法の広告である確率が高いです。
マルチ商法(最近はネットワークビジネスなんて言い方もされます)とは、こんなシステムです。
会員Aさんが友人Bさんを勧誘、Bさんが商品を購入した→Bさんの購入代金のマージンがAさんに入る
Bさんも会員になり、友人CさんがBさんから商品を購入→Bさんは勿論、Aさんにもマージンが入る
よってAさんの目的は、いつの間にか「商品を売る」ことから「Bさんのような人(ダウンと言います)を増やすこと(=自分は営業活動をしなくてもお金が入るようにしたい)」になっていきます。その「ダウン集め」の広告が、上に示した広告なのです。
特長にもなっている「会社説明及び面接」ですが、その実態は「勉強会」とか「集会」と呼ばれるもので、マルチで成功した人の自慢大会です。会場の大半は現役マルチ従事者で、壇上の自慢話に拍手喝采して場を盛り上げます。行くと、判断力のにぶってる人は洗脳され、普通の人が怖くなって帰ってきます。
本来内職商法とは全然違う(どころか在宅ですらない)のですが、在宅ワーク希望者で「これってどんなビジネスなんでしょう?」と興味を持つ人が驚くほど多いため、警告の意味で掲載しました。
メールマガジンに、以下のような在宅ワークの求人広告が載ってましたとします。どう思いますか?
仕事内容 |
データ入力(原稿量・入力フォーム・納期は毎回異なるのでその都度指示) |
必要経費 |
原稿の宅配代(着払い。返却時はこちらが負担)と作業料振込み手数料 |
作業料 |
月末締めの翌月末払い |
その他 |
登録料・年会費等は一切かからないが、下記のことが守れなかった場合ペナルティを要する。(入力業務の最低条件なので、難しいことではない筈)
A 誤字が多い場合(100文字に対して1文字以上)
B マニュアル通りでない方
C 納期を守れなかった方
A・Bを守れなかった場合1万円
C 三万円
但し、最高は三万円 |
一見、結構細かく情報開示されていて「まともな求人かも」と考えるかもしれませんね。
実はこの例、某掲示板で相談を実際に受けたものなのです。登録前に相談に来られた方は、皆さんからの指摘で無事難を逃れましたが、既に契約した人の相談から、これで契約した人がどうなるかが判明しました。「仕事は来たけど“入力ミスが酷いからペナルティを払え”と言われ、該当個所のFAXを頼んだが断られた」そうです。脅迫のようなメールを送りつけて、怖くなって払ってしまった人もいたようです。
ある時期集中的に相談が増えたこの業者、結論から言えばペナルティ詐取を目的とした詐欺だったようです。
この求人広告のキモとも言うべきところは上記の表の「その他」の所です。
本来ペナルティというのは、「作業料からしかるべき金額を引く」「単価を下げる」「次回から仕事を与えない」等の方法で行われるもので、当然金額や状況も流動的です。そういう「固定できないペナルティ」を「1万円・3万円」という固定額で最初から設定しているのが大いに不審です。
また、ここには書きませんでしたが、この業者の広告には所在地等の最低限の会社情報が載っていませんでした。内容以前に、こういった点からも「怪しい広告」と直感的に判るようになりましょう。
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